ニコニコ動画の未来の姿を酔っ払いながら想像してみた

VOCALOID

ニコニコ動画の未来の姿を全力で想像してみた - 論理的なアイディアはまだかい?

http://d.hatena.ne.jp/ronri/20090320/1237502451


ニコニコ動画(未来)

2077年の空間的社会

家に帰るとパソコンが自動的に物理的空間へと続く軌道に乗り、ブラウザを三次元上に投影してくれる。今日は自分の好きなボーカロイドが新アルバムを発表するので公式サイトへと導いてくれたのだ。今はボーカロイドが自分で曲も詩も書くし、歌はもちろん演奏だってする。考えてみればパソコンでできないことなんてないんだよな。PVも作れるし。ちなみにぼくはいま一番人気があるボーカロイドの曲を、別のボーカロイドがクラブサウンド風にRemixしてリリースした曲が大好きだ。
さて、空間上に存在するファイルサーバにアクセスしたところで、さっそく新作アルバムを再生してみた。コンピュータのクラウド化が四次元方向に進んだ結果、ダウンロードとかストリーミングとかいう概念は不要になってしまった。ところでクラウドと呼ばれていた技術が本当に雲(空間上のデータ領域)になってしまったことはおもしろい。

オープンクリエイティブ

ニコニコ空間(昔はニコニコ動画という名称だったけど概念の変化とともに名称も変化してきた)は、人間のアーティストとボーカロイドとユーザーがクリエイティブな活動をしている。一般ユーザーがリリースする作品もかなり質が高く驚かされるが、こういったものはほとんどがパソコン上で作られたものだ。ニコニコ空間が提供する音楽と動画の開発環境がもっともユーザーに愛されている。すべてのはじまりはニコニコ動画という歴史的な背景がユーザーに愛着心を持たせているのだろう。
こうなってくると人間のアーティストの立場がなくなりそうだがそんなことはない。ほとんどの楽曲が電子的な製作物になるにつれて、生演奏というものが再評価されはじめたのだ。最新型のボーカロイドの歌は人間の歌と聞き比べてもどっちがどっちだかわからないけど、ピアノに例えるとわかりやすい。プログラムのピアノ演奏とプロのピアニストでは、聞き手が受ける印象がまったく違う。技術力じゃなく「心に響く音」があるからだ。絶対数は減っても歌唱力の高い歌い手、そしてクラシックやオペラ、ジャズなど生演奏に魅力があるジャンルは今でも高く評価されている、人間の素晴らしさを再認識させてくれる。
ニコニコ空間は人間のアーティストの2次創作物と、ボーカロイドとユーザーがクロスオーバーしながら、さらにクリエイティブなものが作られ続けているが、それだけじゃない。中立かつ公平ならざる者のカウンターカルチャーとしての性質もある。ネットから配信されるニュースは嘘がつきにくい。常にオープンであるため間違いがあればすぐに指摘されて修正されるし、偏った思想も好まれない。結果的に情報の質が信頼され、既存のTV局や新聞社などのマスメディアは次第に淘汰されていった。ほのぼのさせてくれるニュースが多いのもの特徴で、それを好むユーザーも多いらしい。
人が集まるからビジネスも集まる。アフィリエイトECサイトとの連携もそうだし、一般ユーザーは投稿される作品をそのまま商品として販売することもできる(とはいっても良質で無料の作品が氾濫しているから利益をだすのはなかなか難しいようだけど)。土壌が豊かだから優れたクリエイターが産出されるし、フリークリエイター向けの仕事の求人なども行われている。昨日は「右上」が個人的にPV製作者を募集してたな。



2009の視点

まぁともかくニコニコ動画は日本を代表する世界一のクリエイティブな環境だし。名物知事とか高校生プロゴルファーとか経済効果がいくらとかいってるけど、ニコニコ動画から生まれ、世界中に波及していった結果、みえない形でもたらされた経済効果には誰も目を向けない。このWebサービスの発祥地は日本。オープンで中立的ってのは「平和」という概念の本質にもっとも近いんじゃないかな。ニコニコ動画とそこに集まるみんなの存在が自分の生まれた国を誇りに思える理由の一つだよ。

2077の現在

あ、明日は年に一度の記念紙幣の発売日だった。電子決済でぜんぶ事足りる世の中だけど、こういう形に残るものが発行されるのはやっぱりうれしい。去年は生誕100周年を記念して、「2次創作物の父」ことZUNさんが肖像画だったなぁ。